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税理士がよく目の当たりにする相続時のトラブルとは?

2016年3月14日

 こんにちは。税理士の田口です。
 

 久々の更新ですが、今日は私が税理士として相続のサポートをさせて頂いている中で、頻繁に遭遇する相続のトラブルを皆様にご紹介させていただこうと思います。
 

 相続対策=相続税対策と思っていらっしゃる方が非常に多いのですが、実際は相続税以外のところがたくさんのトラブルが起きています。ご自身やご家族の相続のときに、ここでご紹介するようなトラブルが起きないよう、事前にしっかり対策をしていただきたいと思います。
 

その1~財産がどこに、いくらあるかわからない~
 

 これは本当によくある話です。
 私は相続のご相談をお受けした際には、「遺言を作成し、遺産分割のトラブルは出来るだけ起きないようにしましょう。」というアドバイスをさせて頂きますが、遺言の作成には「遺産分割のトラブル防止」の他に、「相続財産の棚卸」ができるというメリットがあります。
 

 子供は自分の親がどこにいくら財産を持っているかを知りません。私もそうです。普通は自分の親には聞きづらいはずです。
 

 ですから、実際に相続が起きた後に、自分の親が「こんなところに預金があったのか。」とか、「○○証券に××会社の株式を持っていたのか。」とか、色々なことが後から判明することになります。
 

 ただ、色々調べて財産の所在が判明するというのはまだ良い方で、相続が起きて何年かしてから、いきなり税務署から問い合わせがあり、そこで初めて預金や証券があるとわかったという方も非常に多いです。
 

 もちろん、新たな財産が見つかって良かったということもあるのですが、本来であれば相続税を申告しなければならず、故意ではなくても「脱税」と言われてしまうケースもあるために注意が必要です。(「脱税」と認定されてしまうと、重加算税や延滞税を含めて5割増しで税金を払わなければならなくなった、というケースも実際にあります。)
 「遺言を書くのはちょっと・・・」という方でも、どこにご自身の財産があるかくらいは一覧(財産の棚卸表)にして、相続人が困らないようにしておくことを強くオススメ致します。
 

その2~銀行口座が凍結、お葬式代が払えない~
 
 突然夫の相続が発生し、バタバタしながら葬儀を執り行い、葬儀社へ葬儀代を支払うために故人の定期預金を解約しようとしたら、口座が凍結されてしまっており、葬儀費はもちろん、近々の生活費も引き出せなく本当に大変だった、というお話を先日お聞きしました。
 

 金融機関の口座は、持ち主が亡くなったことが判明すると入金も引出しもできなくなります。遺言で誰が相続するか決まっていたり、遺産分割で誰が相続するかが決まれば、口座から預金の引出しは出来るようになりますが、遺産分割で揉めてしまうといつまでたっても引出しが出来ないという非常に困った状態になります。
 

 対策としては、当然ですが相続が発生する前にある程度のお金を相続人の口座に移しておくことです。しかし、相続のタイミングが事前に分からないケースも多いはずです。そのようなときには生命保険が役に立ちます。申請してから、数日~1週間程度で生命保険金が給付されますので、目先の葬儀代や生活費に充てることができます。もちろん、生命保険金の受取人が誰になっているかはしっかり確認をする必要がありますが、こんな場面にも生命保険が役立つことを是非皆様には知っておいて頂きたいです。
 

 いかがでしたでしょうか。
 冒頭でも書かせていただきましたが、相続時に発生する問題は相続税云々も前にもクリアーしなければならない問題がたくさんありますので、相続に詳しい専門家のアドバイスを受けて対策をして頂きたいと思います。ではまた。